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ファウラみどり
〔キーワード〕小学校,算数,やる気,認知スタイル,熟慮衝動型
本研究の目的は,小学校6年生を対象にした算数の学習において,①やる気が喚起される場面を把握すること,②熟慮衝動型認知スタイルがやる気の喚起される場面に及ぼす影響を明らかにすることであった。公立小学校7校247名(有効回答222名)に質問紙による調査を実施し,因子分析を行った結果,「充実・実用志向」,「関係・自尊志向」,「活動的授業志向」の3因子構造が確認された。これらの3つの因子と熟慮衝動型認知スタイル群(上位群・中位群・下位群)を二元配置の分散分析によって分析したところ,熟慮型傾向の強い子どもの方が,「充実・実用志向」「関係・自尊志向」「活動的授業志向」のいずれの場面においてもやる気が喚起されている傾向が示され,熟慮衝動型認知スタイルがやる気の喚起される場面に影響を及ぼすことが明らかとなった。さらに,熟慮衝動型認知スタイル群ごとに比較した結果,上位群(熟慮型傾向)では「充実・実用志向」,下位群(衝動型傾向)では「活動的授業志向」の優位性が高く,熟慮衝動型認知スタイル群によってやる気が喚起される場面が異なることが明らかとなった。

吉國秀人,赤沢潔
〔キーワード〕 特別支援教育,算数,足し算,課題配列,大きい位
本論文は,特別な支援を必要とする児童1名を対象にして,算数学習における2桁及び3桁の足し算学習を, 継続的に援助した授業の実践報告である。学習者は,実践開始当時は5年生であった。「かずの学習」における取り組みの中から,特に,2桁及び3桁の筆算による足し算の授業場面を抜粋して報告した。細谷(1969)が小学校算数の授業立案・展開検討で用いた視点を参考にして,実践から導かれる仮説的な要因として 1. 課題の型分け, 2. 教具と課題配列順序, 3. 個に応じた課題解決のための援助方略に注目し,考察を行った。お金に関する先行知識を有する学習者に対して,その既有知識にあうよう選択された教具(お金)が活用された。また,授業で取り上げた筆算課題は,"特殊な"タイプから"一般的な"タイプの順に配列されていた。さらに,筆算の計算は,初めに大きい位を計算し,その後で小さい位を計算するよう指導した。このような「大きい位優先主義」に即した指導は,2桁及び3桁の足し算を独力で計算可能にし得る指導方法だったことが明らかにされた。「3 位数で一の位が繰り上がると十の位も繰り上がる足し算」のタイプの学習が課題として残された。