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梶原郁郎(山梨大学)
[キーワード]微分を視る(微分の直観),微分の事例,Δy(体積の増加分)の出どころ,Δy/Δx
本稿は,体積の微分を視る授業内容による教授学習過程の効果を報告している。これは,面積の微分を視る授業(梶原,2017)で学習した直観の思考手続きの応用をH的とした実践である。
本授業内容は「x3」「x(x+1)(x+2)」「5πx5」を取り上げて,体積図を用いた次の思考手続きで微分の直観的理解を目指している。 (1)「x3」のxの延長線上にΔxをとる,(2)その場合,Δy(体積の増加分)は体積図のどこになるかΔyの出どころ), (3)Δxを0に近づけていくとΔy/Δxは最終的にどこに現れ出てくるか。このように頭の中で体積図を操作すれば,「x(x+1)(x+2)」「5πx2」の場合も,瞬間の変化率(微分)を視ることができる。実践の結果,微分の公式の意味理解が欠落している現状(微分の事例がひとつも所有できていない現状)は,面積の微分を視る授業に続けて大きく改善され,事後質問で微分を直観できた生徒は,本授業の事例と類似性の大きい問題((x+1)(x+2) (x+3)),類似性の小さい問題 (4πx3/3)双方で30名(81%)であった。これらの結果を含めて,本授業内容の成果と課題を本稿は報告している。

梶原郁郎
〔キーワード〕微分を視る(微分の直観),微分の事例,⊿y(面積の増加分)の出どころ,⊿y/⊿x
本稿は,面積の微分を視る授業内容による教授学習過程の効果を報告している。本授業内容では「y=2x」「x2」「(x+1)(x+2)」を取り上げて,面積図を用いた次の思考手続きで微分の直観的理解の保障を指向している。(1)2xの面積図(縦2・横x)において⊿xxの延長線上にとる。(2)その場合,⊿y(面積の増加分)は面積図のどこになるか(⊿yの出どころ)。(3)⊿xを0に近づけていくと,⊿yは最終的にどこになるか。このように頭の中 で面積図を操作すれば,「x2」「(x+1)(x+2)」の場合も同様に,瞬間の増加率(微分)を視ることができる。本授業内容による実践の結果,「2x」「x2」の微分の数式操作はできるが意味理解が欠落している事前質問の状況は大きく改善され,事後質問において微分を直観できた生徒は,授業内容の事例と類似性の大きい「5x」と「x(x+2)」問題において正答者35名(95%)と37名(100%),類似性の小さい「πx2」問題において正答者36名(97%)であった。これらの事前事後質問の結果を含めて,本授業内容による教授学習過程の効果を本稿は報告している。