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アクティブ・ラーニングの成立条件―東北大学の「教職実践演習」の取り組みから―

工藤与志文,小野康直
〔キーワード〕アクティブ・ラーニング,教職実践演習,大学生
本論文は,「教職実践演習」の実践結果の分析から,アクティブ・ラーニングの成立条件について考察したものである。分析対象となった実践は,平成27年度に実施された東北大学における教職実践演習である。アクティブ・ラーニングの成立については,須長(2010)による“activeness”概念の整理を参考にし,主として学生による演習終了後のレポートや感想文に基づいて分析を行った。その結果,当該実践はアクティブ・ラーニングの成功例として評価しうるものであると判断されるとともに,関連する要因として①課題内容の適切性②班員数と班構成③班員以外からのアイディア摂取④自らによる授業実践⑤成長の確信⑥社会的要求の満足が抽出された。最後に,以上の知見を一般化し,アクティブ・ラーニングの成立条件として,①学習者にとって課題の意義が明確であること②課題解決のための知識・技能の一部を学習者が持っていて,それを使用する自由があること③学習課題は学習者たちが各自の知識・技能を提供し合うことで達成されるものであること④課題解決に向けたサポートが存在することが挙げられた。