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数概念形成の基盤としての集合の学習

知久馬義朗,井澤由利香
〔キーワード〕 言葉の操作,科学者の体験,生活者の体験,法則学習,数概念
<p> 様々な量を分類出来るためには,それ以前に量と結びついた数概念を形成する必要がある。そのためには, ①様々な性質を条件とした集合を複数作り, ②各集合を作る際の性質をすベて無視し ,量だけに着目して上位集合を作り, ③複数の上位集合間で量の異同判断が出来るようになることが必須である。①②は③の前提であるが, 本研究では,現在極めて不十分にしか配慮されていない①②の充足に焦点を当てたテキストを構成し,その妥当性を検討した。構成に当たっては,「仲間分け」「分け直し」「囲み分け」の概念形成を実現するための法則群の設定,及び言葉の操作,科学者の体験,生活者の体験の3者の設計とその有機的関連づけに特に留意した。入学直後の公立小1年生に13時間の授業を行い,種々の点で難度に差のある問題で構成された事後テスト,自発的な仮説検証的活動の発生,とりわけ発展性のあるそれの発生を基準に授業の効果を判定した。事前には簡単な仲間分け以外は一切できなかった子らが,事後テストでは全員が全問に完全正答(個数を条件とした囲み分けを含む。)した上で,発展性のある自発的活動も多く確認され,極めて早い段階での集合数の成立も確認され,本研究は完璧な成果を収めた。</p>