コンテンツへスキップ

グループ学習で学習苦手児が他の成員を模倣することの有効性の検討―小学校算数科の授業を通して―

江川克弘
〔キーワード〕模倣,グループ学習,動機づけ
学習に関する様々な調査から,子どもたちの学習意欲ならびに算数科の学力の低下が報告されている。教育現場では,算数科の苦手な児童に容易に適用でき,学習への動機づけを高め,学力を伸ばすことのできる学習方法が必要とされている。その1つとして,本研究では「グループ学習に模倣を取り入れた学習方法」を取り上げ,その有効性を検討した。学習方法適用群と不適用群を設定し,各群で算数科の苦手な児童を1人対象児として選定した。適用群と不適用群で対象児の事前・後の算数科の授業中の行動とテスト成績について比較を行った。結果は,適用群対象児の方が学習への動機づけを高め,算数科の学力も伸びていた。また,適用群と不適用群で事前・後の算数科のテスト成績の群間比較も行った。結果は,事後テストにおいて適用群の方が有意に高い成績であった。また,適用群の児童に本研究の学習方法の有効性について質問紙調査も行った。結果,児童は概ね有効性を感じていた。以上のことから,本研究で行われた学習方法は,どのような児童にも容易に適用でき,算数科の学習への動機づけも学力も高めることができるものであることが示唆された。