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提示事例の違いが学習者の思考過程に及ぼす影響

伏見陽児,立木徹
〔キーワード〕誤概念,論理変換操作,提示事例,概念の学習
本実験は,伏見・立木(2009)の研究結果をふまえ,焦点事例の違いという要因が,学習者の信念や論理変換操作,事後テストに及ぼす影響をさらに検討したものである。「緑の植物(種子植物)は花を咲かせ,花の咲いていたところに種子をつける」というルールを取り上げ,大学生206人を対象に実験を行った。実験は,事前テスト,文章教材の読み取り,操作課題,信念課題,事後テストの順に実施された。2種の文章教材を用意し,一方の群には学習者の既有知識(誤概念)と抵触する事例(サツマイモ)を,他方の群には誤概念と抵触しない事例(アサガオ)を用いてルールを説明した。その結果,〈1)提示事例の違いは操作課題,信念課題の遂行に影響を及ぽさないこと,(2)誤概念と抵触する事例(サツマイモ)を用いる効果はおもに正誤群(操作課題に正答,信念課題に誤答)の事後テスト得点の伸びに現れることが示された。伏見・立木(2009)と同様の結果が得られた。抵触する事例を用いることの効果は、誤概念にこだわりを持ちつつも事後テストに正答できるようになる点にあると解釈された。