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「レンズと像」に関するルールの適用はなぜ難しいのか

麻柄啓一,岡田いずみ
中学校の理科では、とつレンズで光を集めるとその光を発した物の像ができることが扱われているが、大学生であってもこのルールを把握している者が少ないことが先行研究からわかっている。教科書を検討すると、光源の位置の変化に伴って像のできる場所や大きさがどのように変化するかが強調されている。このような扱いによって、「像ができる」というルール自体が把握されにくくなっている可能性が考えられる。調査1では大学生を2群に分けて、グループ1に対しては像ができること自体を強調し、グループ2に対しては像のできる位置と大きさを強調した。事後の標的問題での正答率はグループ1の方が高かったが、その値自体は十分高いものではなかった。調査2では、さまざまな光源を用いた場合の光の道筋とスクリーンにできる像を描くことを被験者に求め、さらにルールも強調した。しかし標的問題での正答率は上昇しなかった。調査3では、調査2の被験者に対して、なぜこのルールを標的問題で用いなかったのかを質問した。その結果、彼らの誤解がいくつか明らかになった。これらの結果に対して、授業の改善の観点から考察を加えた。