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小学校の植物単元学習に関する縦断的研究−単元内容の自発的関連づけに注目して−

工藤与志文,宇野忍,白井秀明,荒井龍弥
本研究は、1)小学校理科5,6年の植物単元を対象に、教授者が意図的に関連づけを行わない条件下での単元学習効果の維持・定着の実態を明らかにするとともに、2)自発的関連づけの程度を探るために行われた。小学生33名の同一学習者群を対象に、5年時の植物の発芽および花概念、小学校6年時の光合成概念に関して、授業および同一課題による事前、直後、遅延テストを行い、学習者の理解の変化を縦断的に調査した。その結果、以下の結果が得られた。1)全体的傾向として授業による学習効果は高くなく、高い学習効果を持った学習領域でも、学習効果は時間的経過と共に失われることが多い。2)光合成概念の授業前後の花概念テスト成績の「復帰」を自発的関連づけの兆候と想定すると、a)復帰を示した学習者は極めて少ない。b)復帰を示した学習者は花概念の理解度が高い傾向にあった。c)復帰を示した学習者は光合成概念の理解度が高い傾向にあった。以上から、学習者は各単元の学習内容を自発的に関連づけることができず、関連づけの援助によって彼らの理解を促進できる可能性が示された。